クリニックにおけるマーケッティングとは

クリニックにおけるマーケッティングとは

ビジネスは価値と価値の交換です。クリニックというビジネスにおけるマーケティングとは、医療サービスという価値と、患者様が受診(我が身を委託する)するという価値を交換するということです。

医療におけるマーケティングを一言でいえば、
「患者様が、あなたのクリニックを選ぶ理由を創ること」
に尽きます。

クリニックには、必ず競合がいます。患者様が、競合CLではなく、あなたのクリニックを選ぶために、あなたのクリニックには何が必要なのでしょう?あなたが開業するということは、単に街で外来を始めるということではありません。あなたのCLが選ばれるようなビジネスを起業するということを忘れないでください。

最終的に患者様に頼ってもらえる、信頼されるクリニックになるとは、どんな戦略であるべきなのか、それを定めて実行してゆくことをマーケティングと言います。
開業して、ただ頑張ってはいけません。患者様に選んでいただけるように頑張らないと、頑張ったことになりません。

医療におけるマーケティング戦略とは、患者様に選ばれるように、医療サービスを開発し、その売り方を最適化することをいいます。決して「広告の出し方」や「新患の集め方」を言うのではありません。それもマーケティングの一部ではありますが、マーケティングの一番重要な考え方を一言で言えば
「ボトルネックの解消」に尽きます。

 

マーケティングの効果は数値で測定する

マーケティングの効果は、数値で測定しましょう。このとき、目指す数値を「最終ボトムライン」に
しないことがポイントです。最終ボトムラインは、ほとんどの場合、利益か売り上げのどちらかになるはずです。

例えばインフルエンザマーケティングの場合は、最終ボトムラインを明確に利益総額(=G)に設定していますが、目標指標は人数Qにおいています。
つまり、「最終ボトムライン(求める最終成果)の1歩あるいは2歩手前の、最終ボトムラインに密接なつながりをもつ段階」を指標にすると、ポイントがはっきりと見え易くなります。例えば、クリニックの月間売り上げ総額を目標指標にするのではなく、目標指標は患者出口アンケートの満足度にする、
などです。

マーケティングは、仮説→実践→測定→検証→仮説の繰り返しです。
何の数字に注目するのか考えて、そして測定してみましょう。

 

クリニックにおけるマーケティング

マーケティングとは患者様が競合ではなく自院を選ぶ理由をつくること。繰り返しますが、マーケティングは広告宣伝のこと、ではありません。

環境をよくみて、競合をよく観察して、自分が対象としたい患者様から、自分は何を求められているかを考えて、「医療サービスという商品を開発する」という発想をもちましょう。

自分が出来ることを使って、新しいものを創るのです。

新規患者様の獲得に躍起になるよりも、エネルギーの多くを「既存患者の維持」に投じてください。
一度来てくれた人が、また来てくれるためには、どのように現状を変化させれば良いのでしょうか?

これを患者様目線で必死に考えて、そして実行することです。考えても実行しなければ、考えなかったことと同じです。盛業せず苦しんでいる院長は例外なく「実行しない」という特性をもっているように感じます。

もしも患者様が途切れて「暇な時間」ができたとしたら・・・そのまま悶絶していても仕方ありません。

すぐに下記を実行すれば、暇な時間などあるはずがありません。
・ 受診した患者様へのフォロー電話コール
・ 自院ホームページの更新と改築、ブログ発行、メールマガジン発行を行う
・ 在宅医療をやっているのであれば、ケアマネ参り、施設めぐり、地域チラシ捲きを行う
・ 地域の公民館で「健康講座」を企画し、実行する
・ 何か独自の健康医療サービスを創り、パッケージ化して販促してみる
一般的なクリニックでマーケティング上のよくある問題とは
・ 営業時間が短い。勤めている人が気軽に受診できる時間ではない
・ クリニックに清潔感がない
・ 受付の電話対応が不親切または無愛想
・ 受付スタッフの態度が、サービス業としてレベルが低い
・ 受付スタッフ・ナース・そして医師に笑顔がない
・ 診察待ち時間が長い
・ 医師の診察が、患者の需要に応えることに焦点を当てていない
・ 実は医師は、患者を診るのが好きではない
・ 患者の個人的事情に踏み込むことを医師が忌避している
・ 実はこれまでも1ヶ月に1回くらいは、患者から何らかのクレームをもらう
・ 会計が遅い。時間がかかる
・ ナースや事務の「診察フォロー」がない
・ 薬局が診療に対して協力的ではない

これらの問題に、抜本的かつ真剣に応えてゆくことを、マーケティングといいます。

例えば5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)は全ての業種業態で極めて有効とされるマーケティングです。とりあえず何をするか迷ったら、5Sをしましょう。